「岩手県大槌町で、9月11日午後9時ごろ、元自衛官の斉藤歩叶さん(21)が生後1カ月の長男・桜虎ちゃんを抱いて歩いていたところ、ツキノワグマ3頭に遭遇した。半年前に夫の出身地の大槌町に移り住んだばかりで、クマを見たのは生まれて初めてだった。すると、うち一頭が突進してきた。元自衛官でも、クマの倒し方は学んでいない。『この子を守らなくちゃ』と、とっさに右足で思い切りクマを蹴りあげた。硬い毛皮に触れたような感触があった。腹部に当たったようだ。クマが少し遠ざかり、道が開けた。そのすきに、体重4・5キロの桜虎を抱きかかえて逃げた。クマはしばらく追ってきたが振り返るといなくなっていた。料理に使う調味料がなく、近くの店にいく途中だった。」(MW石井)
クマに遭遇して、斉藤さんはどれほどびっくりしたであろうか。まかり間違えばクマに襲われて大怪我をするという惨事に至っていたかもしれないが、赤ちゃんを助けなきゃ、という一心で襲ってくるクマを蹴り上げ、一目さんで逃げたのだった。実は、クマは人よりも走るのが早く、逃げる獲物は本能的に追いかけて襲うが、追って来なかったのは彼女の足蹴りが効いたのかもしれない。
僕は過去に、ヨセミテで何度もクマに出会っている。もちろん子グマだ。だが、ある早朝に、暗がりの中で、ゴミ捨て場から戻ってくる体長1メートルほどのクマとすれ違った。クマとの距離は4~5メートルほどだったが、よくその時、何事もなく済んだものだと、今、思い出しても冷や汗がでるほどだ。
神は、エデンの園でアダムとエバに、「園の中央にある木の実を食べてはいけない」と命じておられた。しかし、そこに蛇の形をとった悪魔が現れ、「園にあるどの木からも取って食べるなと、ほんとうに神が言われたのですか」(創世記三・1)と神の言葉に疑いを持ちかけ、アダムとエバはその誘いにまんまと引っかかった。彼らには、その実が美しく、美味で、それを食べれば神のように賢くなると思えたからだ。神のご命令は、私たちが神と共に平安に生きるために与えられたものだが、悪魔は私たちに神のお言葉への疑いと不信を抱かせる。それに打ち勝つためには、日頃から聖書に親しむことで、何が神様のみ旨なのかを知っておく必要がある。お言葉だけが敵に打ち勝つ武器だからである。
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