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ロサンゼルス近郊の山火事

Rev. Tsukasa Sugimura

 アメリカ西海岸のロサンゼルス近郊の山火事は、サンタアナ・ウィンズと呼ばれるこの地域特有の乾燥した風と、近年の雨不足による極度の乾燥が、火災の拡大をもたらした。散歩の度にロサンゼルスの街の向こう見えるマウント・ボールディ(3000メートル)には未だ雪がない。例年ならば感謝祭の頃には初冠雪があるのだが、一月中旬を過ぎた今でも雪がない。歴史的な異常乾燥だ。 

 ロサンゼルス近郊のパシフィック・パリセーズで1月7日に発生した山火事は、非常に強い風で、あっという間に燃え広がった。北東部でも火事が発生、住宅街に甚大な被害をもたらし、さらにはハリウッド近くの山でも火事が発生して、ロサンゼルス周辺の山火事は5カ所以上に及んだ。これまでに少なくとも24人が死亡(15日現在)、一万件近い家屋が焼失するなど、州内でも最悪の一つに数えられる被害をもたらした。ロサンゼルス市長は8日午後の記者会見で、「非常に乾燥した状態でハリケーンのような強風が吹いている。7日午前中の時点でおよそ4万平方メートルだった山火事は12分後には20倍の広さにまで広がった」と述べ、乾燥と強風が異例の火事の広がりをもたらしたと語った。パシフィック・パリセーズの焼け跡は広範囲に及び、レンガ造りの煙突だけが焼け跡にポツンと立っていて、見渡す限り一面の激しい戦場跡のようだった。

 妻の息子家族は被害が大きかったアルタデナ近郊に住んでいて、避難準備をしていたが、風向きが変わって安全区域に入り、大いに安堵した。だが彼の友人たちの数家族も家を失った。火事で全てを失った人々を慰める言葉もない。

 さて、主イエスは文字通りすべてを失った。ご自身の命までも。「キリストは、神のかたちであられたが、神と等しくあることを固守すべき事とは思わず、かえって、おのれをむなしうして僕のかたちをとり、人間の姿になられた。その有様は人と異ならず、おのれを低くして、死に至るまで、しかも十字架の死に至るまで従順であられた」(ピリピ二・6~8)。 それはひとえに私たちの燃えさかる罪の炎を消すためであり、そのためにはご自身が十字架にかけられることも厭わなかったのである。その尊い犠牲によって、私たちの頑な心に救いの光が灯された。主の愛は火炎よりも熱く迫る。そこに明日を生きる希望がある。

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