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旧統一教会解散命令

 今回は、日本ホーリネス教団が毎月発行する機関誌『リバイバル』(2025年6月号)に載った、旧統一教会解散命令についての記事であり、「福音による和解委員会」の根田祥一氏のコメントである。これは単に彼らが異端だからというのではなく、人権侵害という観点から記していて、一読に値する内容だ。

 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)に対して、東京地方裁判所が3月25日に、国の請求を認めて宗教法人の解散を命じた。戦後の宗教法人法において、宗教団体への解散命令はわずかで、サリン事件など国家転覆を図るテロを起こしたオウム真理教や、霊視商法による詐欺で幹部らが実刑判決を受けた明覚寺に続き三例目である。なお中国では統一教会は邪教だといわれ活動はできない。

 統一教会は、これに対して、この解散命令は信教の自由の侵害だと強く反発したが、決定は、「被害は類例のない膨大な規模で、途切れることなく続いている。解散の他に適切、有効な手段は想定しがたい」と認定した。つまり、統一教会の教えの正邪が問題ではなく、先祖の因縁などの霊感トークで不安にさせ、高額商品を売りつけたり、多額献金をするよう仕向けたりする行為が不法だということだ。その統一教会の被害は、公式発表に反して今も続いている。

 なお、教団幹部に関する刑事事件はないというものの、印鑑販売会社の幹部が懲役刑判決を受けた例はある。統一教会は、印鑑販売会社は信者が行なっているもので、教団は一切関係ないと言い逃れを続けてきたが、2009年の東京地裁の判決などで、霊感商法と統一協会との関係が認定されている。

 統一教会のような不法行為を犯す宗教団体が、「信教の自由」の問題とすり替えて自己正当化するという虚偽を見極めることが何よりも大切である。憲法が保障する信教の自由は、すべての人に適用される大切な基本的人権であるが、だからといって不法行為を見逃す根拠にはならない。人をマインドコントロールし、支配すること自体が「神のかたち」(創世記1・27)である人間の「信じる自由」を蹂躙する人権侵害そのものなのである。私たち福音派は、統一教会を異端として批判してきたが、異端だから解散が妥当なのではなく、解散命令は人権の尊厳に関わる不法行為への裁定であると知ることが大切である。

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