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ピーター・アイアンズ教授

 今から80年前、日本軍の真珠湾攻撃で日米戦争が始まった。「大統領令9066」が発出されて、日系人には夜間外出禁止令が出、やがては強制収容所に入れられた。それらの法律を不当として従わなかったのが、アメリカ市民である日系二世のゴードン・ヒラバヤシやフレッド・コレマツたちであり、彼らは裁判で有罪となった。後日、日系人の権利を回復する際に、彼らの抗議行動が大きな前進をもたらすステップとなったのだが、その切っ掛けを作ったのがカリフォルニア大学サンディエゴ校の政治学教授、ピーター・アイアンズだった。

ヒラバヤシは、ある日アイアンズから連絡を受けた。それは1942年の日系人収容は明らかに政府の過ちであったというのである。政府には大統領命令を発出する軍事的理由がなかったばかりか、日系人収容を正当化するため、最高裁からの情報を隠していたという。アイアンズは太平洋戦争中、日系人がどのようにアメリカの憲法と関わってきたかを調べているうちに、司法省の弁護士、エドワード・エニスのメモを発見した。彼はコレマツを有罪に持ち込むため「日系人が危険であることを証明する」証拠を探していたが、逆に「日系人が(スパイ活動のための)通信を行っている証拠はない」という連邦通信委員会の報告や、権威ある複数の機関から、「日系人がスパイ活動などをしている事実はない」との調査報告書を発見したのだった。しかもジョン・マックロイ国防次官が追及逃れのため、「証拠を隠滅せよ」という情報まで見つけたのである。

 そこで三人はかつての有罪判決の取り消しを求めるために控訴することになり、結局、勝訴したのであるが、敗訴してから40もの春秋が流れていた。

 主イエスは「なんでも、隠されているもので、現れないものはなく、秘密にされているもので、明るみに出ないものはない」(マルコ4・22)と語る。私たちは本来、相手のことよりも、自分に有利なように物事を進めたいと願うが、その背後ですべてをご存知で、すべてをあばく神を忘れてはならない。

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